クラゲ類で見られるエボシダイ科幼魚とイボダイ科幼魚の違いの覚え書きです。
ヒレナガカサゴ属の一種
Wannai 18m 20mm
大瀬崎で人気を博しているヒレナガカサゴ属の一種。
ネットで検索すると南国を中心にヒレボシミノカサゴの幼魚としてよく出てきます。
2016年4月に初めて大瀬崎で目にした時は、ネットの写真で見た子だぁ、と単純に受け入れてしまいましたが、今回改めて見ると、自分の中でどうしてもヒレボシミノカサゴには結びつかないのでちょっと調べてみました。
■ヒレボシミノカサゴ
フサカサゴ科ミノカサゴ亜科ヒメヤマノカミ属。
背鰭は13棘9軟条。
胸鰭は20~21軟条。
眼の下の涙骨にある2対の皮弁のうち、後方の1対のものは著しく長い。
背鰭軟条部に2~3個の黒色眼状斑がある。
同属には大瀬崎でも見られるシマヒメヤマノカミ、ヒメヤマノカミ、キリンミノがいて、これらは上下方向関係なく岩礁や物陰に密着して隠れており、頭部を奥まった方向(逃げ場)に向けていることが多いです。これらの幼魚は成魚同様、背鰭や胸鰭を波打たせるように広げてホバーリングしながらゆっくりと泳ぎます。今回のヒレナガカサゴ属の一種とは全く異なる動きです。
■ヒレナガカサゴ
フサカサゴ科ヒレナガカサゴ亜科ヒレナガカサゴ属(Nelsonはヒレナガカサゴ科を認めずヒレナガカサゴ亜科としている)。
背鰭は13棘7~8軟条。
胸鰭は19~20軟条。
大瀬崎ではおなじみで砂地着底型です。今回のヒレナガカサゴ属の一種も同じで形態も似ています。
■今回のヒレナガカサゴ属の一種
写真より背鰭は13棘8軟条、胸鰭は19軟条でしょうか。
ヒレボシミノカサゴに見られる涙骨の長い皮弁もありません。
今のところヒレナガカサゴと同様に砂地着底型です。
以上により、あくまでも個人的な見解ですが、ヒメヤマノカミ属のヒレボシミノカサゴではないということは言えそうです。
今のところはヒレナガカサゴ属の一種としておきたいと思います。