Wannai 11m
ウミテング科のテングノオトシゴです。
眼の前方の口の部分(吻)が三角で短いです。
Wannai 16m
ウミテング科のウミテングです。
吻が天狗の鼻のように長いです。

伊豆半島大瀬崎の海洋生物とダイビングのブログ

2023年2月17日(金)、大瀬崎湾内でのダイビングをしてビーチの中央付近からエキジットする際、何度か見覚えのある下の写真の浮性卵を見つけました。幅の広いところで25cmほどでしょうか。
【1日目】2月17日
何者なのかを確認したかったので、この浮性卵から10cm四方ほどの破片を採集して、まずはバケツに入れて観察することにしました。
周囲のゼラチン物質はかなりしっかりしていました。
採集した日の写真は次の通りで、拡大してみるとすでに眼や体がわかる状態でした。

【2日目】2月18日

朝8時半頃、大瀬崎の北側桟橋から岬の先端方面を見ると、またしても浮性卵が見られました。

さらに15時半頃、大瀬崎北側桟橋のすぐ南側で20~25cm位の2つの浮性卵が見られました。
この日の海況は、晴れ、最高気温13度、東のち南西風、水温17度でした。

採取した卵塊はバケツのままエアレーションして、水温は15~16度を保つようにしました。
【3日目】2月19日
【4日目】2月20日
【5日目】2月21日

5日目の夕方に水槽を見てみると、10個体ほどハッチアウトしていました。
【6日目】2月22日
【7日目】2月23日
【11日目】2月27日
【13日目】3月1日
【16日目】3月4日
数がほぼ半数になってしまいました。
【18日目】3月6日
残り10個体ほどになってしまいました。
【19日目】3月7日
残念ながら全滅させてしまいました。
■上記以外の日に撮影した、同じ種のものと思われる浮性卵の写真を載せておきます。

2025年2月7日 大瀬崎湾内、北側にて。
2025年2月7日のブログ
■参考資料
「ウッカリカサゴのブログ」
https://ameblo.jp/husakasago/entry-12369054522.html
Wannai 18m 20mm
大瀬崎で人気を博しているヒレナガカサゴ属の一種。
ネットで検索すると南国を中心にヒレボシミノカサゴの幼魚としてよく出てきます。
2016年4月に初めて大瀬崎で目にした時は、ネットの写真で見た子だぁ、と単純に受け入れてしまいましたが、今回改めて見ると、自分の中でどうしてもヒレボシミノカサゴには結びつかないのでちょっと調べてみました。
■ヒレボシミノカサゴ
フサカサゴ科ミノカサゴ亜科ヒメヤマノカミ属。
背鰭は13棘9軟条。
胸鰭は20~21軟条。
眼の下の涙骨にある2対の皮弁のうち、後方の1対のものは著しく長い。
背鰭軟条部に2~3個の黒色眼状斑がある。
同属には大瀬崎でも見られるシマヒメヤマノカミ、ヒメヤマノカミ、キリンミノがいて、これらは上下方向関係なく岩礁や物陰に密着して隠れており、頭部を奥まった方向(逃げ場)に向けていることが多いです。これらの幼魚は成魚同様、背鰭や胸鰭を波打たせるように広げてホバーリングしながらゆっくりと泳ぎます。今回のヒレナガカサゴ属の一種とは全く異なる動きです。
■ヒレナガカサゴ
フサカサゴ科ヒレナガカサゴ亜科ヒレナガカサゴ属(Nelsonはヒレナガカサゴ科を認めずヒレナガカサゴ亜科としている)。
背鰭は13棘7~8軟条。
胸鰭は19~20軟条。
大瀬崎ではおなじみで砂地着底型です。今回のヒレナガカサゴ属の一種も同じで形態も似ています。
■今回のヒレナガカサゴ属の一種
写真より背鰭は13棘8軟条、胸鰭は19軟条でしょうか。
ヒレボシミノカサゴに見られる涙骨の長い皮弁もありません。
今のところヒレナガカサゴと同様に砂地着底型です。
以上により、あくまでも個人的な見解ですが、ヒメヤマノカミ属のヒレボシミノカサゴではないということは言えそうです。
今のところはヒレナガカサゴ属の一種としておきたいと思います。
※追記:2024年にはオガサワラカサゴの幼魚となっています。